世代交代
ステーションのベランダにはゆずり葉の木が仲良く3つ並んでいます。
ゆずり葉3兄弟、と名付けて成長を見守り中。
ある日、気がついたら一番上のところから、新芽が出始めました。
おー、いよいよ世代交代だな。
そうなると下の葉は役割を終え、散っていくのです。
少し寂しいけれど、きちんと役割を終えた葉はなんだか誇らしげで、満足したようにも見えます。
私たちが伺うお宅で暮らしていらっしゃる方々の中には、そろそろ人生の終わりに近づいてきている方もいます。
それは悲しいことだし、ご家族にとっては大切な存在を失う恐怖や不安もあると思います。
それでも人には必ず終わりがあって、いつかお見送りしなければならない日がやってきます。
だからこそ、私たちはその方に最期までご自分の役割を持ち続けていただきたいと思っています。
それこそが、その方の生きた証であり、それから先を生きていくご家族の支えになると考えるからです。
たとえ終わりを迎えても、役割を全うした人生にはそのあとに続く世代へきっと大切な何かを残してくださっていると思います。
そしてそれを受け取ったら、大切に大切に感謝の気持ちを忘れず、命を精一杯生きて、役割を果たしていくこと。
命の終わりを単なる《終わり》にせず、それはこの先の未来へ繋がっていくのだということを忘れないでいたいと思います。
たとえ命が今日で終わったとしても、遺された想いは明日に繋がっていく。
それを支えていきたい。
それが私たち、ゆずり葉の目指すケアなのです。
生きている人間は、亡くなった方の想いを背負って生きていきます。
それは時に大変なこともありますが、そうして引き継がれていくことで、時代が変わっても大切なものは繋がっていくのだと思います。
新芽にみなぎるパワーを感じながら、毎日の成長が楽しみです。